私たちに背を向けたまま言葉を零す小出ちゃんが今、どんな顔をしているかはわからないけれど。
……社長が夢見た、VENUSは。
お客様を幸せにするという夢を背負ったVENUSは、お客様だけではなく……私たち、社員一人一人の想いの詰まった、本当に夢のような施設なのかもしれない。
社員一丸となって、VENUSのオープンという目標に向かって突き進んでいる今。
本当に、目の廻るような忙しい毎日が続いているけれど、その毎日はとても充実していて、まるで同じことを繰り返していた日々が嘘のように時間があっという間に過ぎていった。
時間がどれだけあっても足りないなんて、半年前の自分に聞かせたら、嘘みたいだと驚くだろう。
だけど、こんな風に、こんな気持ちで仕事ができるのも……社長があの日、私に自信を持てと背中を押してくれた、お陰なんだと思う。
あの夜の海で、社長が私は会社に必要な人間なのだと言ってくれたから。
だから私は今、堂々と総務部の仕事や御用聞きの仕事、そして企画部の仕事に至るまで、真摯に向き合うことができているに違いないから――――
「…………ちょっと、これ、見てください」
「え?」
「これ…………この、メールです」



