「…………すみません、」
ぽつり、と。沈黙の後、零れた謝罪は何に対するものなのか。
……もしかして。
狩野くんは、部署の違う私に頼って、相談を持ち掛けようとするのは図々しいことだと思ったのかもしれない。
私に答えを求めることは、逃げだと感じたのかもしれない。
そして、それと同時に……
総務部の私に、企画のプロである企画部の自分が質問をすることに、抵抗を感じてしまったのかもしれないと思った。
プライド、なんて。
“ 会社の便利屋さん ” な、総務部の私が言っても説得力はないけれど、クリエイティブに近い仕事をしている企画部であれば当然持っているはずだ。
もちろん、私たち総務部だって……それなりに、プライドを持って仕事をしているつもりだけど、プロ意識が強ければ強いほど、その壁は高くなるものだと思う。



