「あ、の……すみません、私、でしゃばってしまって……」
つい、口をついて出た謝罪の言葉に、狩野くんが困ったように眉を下げる。
一体、どうしたんだろう……
というか……そもそもポイントカードだとか、そんなのはもう、とっくの昔に企画部が考えていたことだったとか?
企画部はVENUSのオープンに向けて連日連夜、残業漬けの日々を送っているのだから、当たり前に通り過ぎてきた道だったのかも。
だとしたら……本当に、でしゃばった真似をしてしまった。狩野くんを、余計に疲れさせてしまった可能性も高いのだから。
「すみません、私、本当に素人の分際で……余計なことばかり言ってしまって」
「……いえ、あの」
「え?」
「日下部さんは……というか、日下部さん、なら。リラックス部門だけでなく、食事部門でのオープニング企画は、どう考えますか?女性目線で見て、何かコレといったものは……例えば、その…………」
けれど、そこまで言いかけて突然口を噤んでしまった狩野くん。
バツが悪そうに落とされた視線。
それは何かを堪えているようにも、戸惑っているようにも見えて再び部屋が沈黙に包まれた。



