焦れ甘な恋が始まりました

 


―――結局、社長は相変わらず、お昼もゆっくりと食べる時間が取れないくらい忙しくて。


社長室に来ると、今日のように眉間にシワを寄せながら大量の資料や書類と睨み合い、考え込んでいるというのが定番だった。


私が来て料理を渡せば、とても嬉しそうにしてくれるし、毎回タッパーの中身は綺麗に空っぽにして返してくれるけど……


それでも秘書兼運転手の立石さん曰く、最近では専ら、打ち合わせの行き帰りの車内では寝ていることが多いらしい。


そのせいで、金曜日の自家用車での出社も、新施設オープンまでは立石さんにやめるように説得され、今は毎日立石さんの運転で移動している。


その話を聞いた時……正直、心の底からホッとした。


だって疲れている上に寝不足で運転なんて、それも一番疲れの溜まっているであろう金曜日に。


そんなの立石さんじゃなくても、社員の誰が聞いても反対するに決まってる。