焦れ甘な恋が始まりました

 


そんな小出ちゃんを前に、私まで釣られて涙ぐみそうになり、慌ててパソコンへと視線を滑らせる。


だけど……今、小出ちゃんに向けた言葉は少しも大袈裟なんかじゃなくて。


本当に、小出ちゃんの結婚と寿退社が新施設オープン後で良かったと思う。


今小出ちゃんに抜けられたら、総務部的には大打撃だ。


新施設オープンの発表が社内でされてからというもの、営業部は宣伝活動やスポンサー廻り、下請け会社との打ち合わせや、その他諸々の仕事に追われていて。


もちろん、それに並行して通常業務もあるのだから、ここ最近は残業も当たり前の毎日だった。


そんな営業部の補佐的役割を担っている私たち総務部も当然の如く、いつもの倍以上の仕事をこなし、忙しい毎日を送っていて。


正直……こんなに忙しいのは、いつぶりだろうと思うほどには、一人一人が手一杯な状況だった。