その保冷バックと中身はきっと、社長の今日の業務が終わったと同時に、彼の家へと持ち帰られるのだろう。 「それじゃあ、これ、ありがとう。また明日ね。お疲れ様」 言いながら、たった一度だけ私の頭にポン、と手を置いた彼は、颯爽とその場を後にした。 そんな彼の背中を視線だけで追い掛けながら、「社長の家に持ち帰られる料理たちが羨ましい」……なんて。 そんな、心の底から馬鹿げたことを考えた私は、スッカリ社長に与えられた熱に、心を奪われてしまっていた。