「しも、じょうさん……?」
「その……戸惑った時にだけ、“社長”って呼ばなくなるのも……俺的には、たまらないんだけど」
「っ、」
もう、お風呂から出て随分と経つのに、熱い身体。
頭を抱え込むように抱き締められ、下條さんの胸に耳を押し当てられたら、高鳴る心臓の音がやけに大袈裟に私の鼓膜を揺らした。
下條さん、どうしてこんなにドキドキしているの?
「きゅ、救世主って……どういう意味ですか?」
「うん?……それは、こっちの話だから気にしないで」
気付いてしまった事実を無かったことにしようと精一杯投げた質問の答えは、誤魔化されてしまう。
それにしても私が、救世主だなんて。
まさか、そんなわけ、あるはずがないけれど……でも、もしも。
もしも私が、下條さんの救世主になれるのなら―――
下條さんの助けになれるのなら、これほど嬉しいことはない。



