だけど、そこまで言い終えたところで、ハッ!と我に返った私は改めて社長を真っ直ぐに見据えた。
「…………、」
と。
視線の先の社長は呆然としながら固まっていて、瞬きすらせず私を見つめている。
そんな社長を前にしたら今更ながら、社長相手に偉そうなことを言ってしまった自分が恥ずかしくて堪らなくなった。
「す、すみません、私、偉そうなことを言ってしまって……!こんなこと、言える立場じゃないのに……!」
よくよく考えてみたら、私に言われなくても社長だって、そんなことくらいわかってるよって話だ。
それなのに、私ってば何を出しゃばって……!
「あ、あの……私、お皿、片付けてきますね……!社長は、ゆっくりしていてください!今、買ってきたワインをご用意しますので――――」
けれど、そう。
慌てて席を立ち、テーブルの上のお皿を重ねてカウンターキッチンに上げ、それを追うようにキッチンの方へと廻り込もうとすれば――――
「っ、」
「ホント……日下部さんは、俺の救世主だね……」
突然、下條さんに腕を掴まれて。
そのまま、力強い腕の中に抱き留められた。



