ケロッとしながら、そんなことを言う社長。
だけど、続けて出た社名に、「そこそこどころじゃないですよ!!」と、思わず声を張り上げた。
社長のお母さんが経営しているという化粧品会社は、確かにテレビCMをバンバン流している一流メーカーに比べたら第一線に立っているとは言えないかもしれない。
だけど最近では芸能人のブログやウェブ広告でよく見かけるようになり、更には使い心地も良いと評判で、丁度私達世代から上の女性の間では良く知られたメーカーだった。
私も、社長のお母さんの会社の化粧品……化粧落としを使ってる。妹の蘭も、そうだ。
基本的に全ての商品のお値段が少し高めだから、私みたいなOLが常用品として使えるのは、化粧落としくらいなものなんだけど……
「まぁ、そんなわけで。昔から、父も母も忙しいばかりの人たちでさ。俺が小さい頃から家のことは、全て家政婦さんがやってくれていたし、食事に関しては専属のシェフ的な人が数人いて……所謂、プロが作ったものを食べてきたんだ」
……まるで、自分とは別世界だと思った。



