焦れ甘な恋が始まりました

 


まるで母親に叱られる子供のように返事を返した下條さんを見て思う。


本当に、時々、手の掛かる子供みたいになる人だ。


これは、秘書兼運転手の立石さんも実は苦労しているのかも……なんて。


多分、そんなことを思ったのが顔に出ていたんだと思う。


子供みたいに駄々を捏ねていたはずの社長は、突然の暴挙に出たのだ。



「っ!?」

「……今、子供みたいだなとか思っただろ?」



私の身体を解放する仕草を見せながら。

叱られた報復のように私の耳を軽く甘噛みすると、悪戯な笑みを浮かべてダイニングテーブルの椅子に腰を下ろした。



「それじゃあ、いただきます。ほら日下部さんも、いつまでもそこに立ってないで、一緒に食べよう」

「っ、」



叱られた子供だなんて、油断してたらとんでもない……!

本当に、悪い大人だ……!