焦れ甘な恋が始まりました

 


でも、だけど……!

本当に、私にはそんなつもりもないし、そんなことになるなんて思ってもなくて……!


なんて。

ここまで着いて来ていながら、今更何を勿体ぶっているんだという話だ。


だって私は、本当に何も期待していなかった?

そんなつもりはないなんて、胸を張って言える?


スーパーで、社長と食材選びをしながら、今日の夕飯は何にしようかと話している時も。


お酒を飲もうかなんて言う社長に、つまみは作りますよと軽快に返事を返した時も。


社長の家まで向かう車内で、外の景色を眺めていた時も。


私は本当に、このあと社長と――――あの、社長室でのキスの続きはするつもりはないと、本気で思ってた?