焦れ甘な恋が始まりました

 


「……とりあえず、お風呂入って頭冷やしてくる」

「そっ、そうしてください……!ごゆっくり……!」

「……うん」



何故か叱られた子供のように小さくなって立ち去る社長を尻目に、真っ赤であろう自分の頬に手を当てれば、今更ながらに今の状況を思い知らされた。


金曜日の夜。明日と明後日は、お休み。

今私がいるのは下條社長の部屋……男の人の、一人暮らしの部屋なわけで。


その状況で、ご飯を作って食べてお酒を飲んで、その後がどうなるかなんて……


そんなの誰に言われなくても、わかりきっている。


良い大人の二人が……キスまで済ませている二人が。


例え付き合うとか付き合わないとか、そういう関係の間柄ではなかったとしても。


普通に考えたら、今の状況で何もないと思う方がおかしいし、ただご飯を作りに来ただけなんです〜なんて、純粋ぶった言い訳が通用するとも思ってない。