焦れ甘な恋が始まりました

 


「ふふっ、」


「やっぱり、エプロンも買えばよかった?」


「いえ、大丈夫ですよ、ありがとうございます。私も家ではイチイチエプロンなんてつけないですし、大抵部屋着か、面倒くさいと仕事終わりの格好のままで料理をすることだってありますから気にしないでください」


「それなら、いいんだけど……」


「ご飯の準備が出来たら呼びますから、社長は先にお風呂に入るなり着替えるなりして、寛いでいてください。何かわからないことがあれば、声を掛けさせてもらいますね」



言いながら微笑めば、何故か驚いた顔をして固まってしまった下條社長。


それに思わず首を傾げれば、突然ハッ!と我に返ったらしい社長は顔を赤く染めると、あからさまに私から目を逸らした。