焦れ甘な恋が始まりました

 


「……当たり前にエプロンとかもないんだけど。その格好のままで料理を作らせるのは失礼?」



部屋の中を、ぐるりと見渡したあと。

社長がキッチンスペースに置いたスーパーの袋の中身を、無駄に大きな冷蔵庫の中へと詰めていった。


その間、何故かそんな私の作業風景を見ていたらしい社長の視線に居た堪れなくなって振り向けば、先の質問をされた次第。



「綺麗な格好のままで料理をして、服が汚れたりしたら困るかなと思ったんだけど……」



眉を八の字に下げ、困ったようにそんなことを尋ねる社長。


純粋に、その言葉の通り。服に匂いが付いたり汚れることを気にしてくれてるんだなぁとは思ったけれど。


それをとても不安そうに聞く社長がやっぱり可愛くて、思わず声を漏らして笑ってしまった。