焦れ甘な恋が始まりました

 


「はぁ〜……。なんだよ。それならもう、一切、俺が負い目を感じる必要ないじゃん」


「負い目?」


「日下部さんには悪いけど……色んな意味で、逆にスッキリした。だから日下部さんは、あんなに自分に自信が持てずにいたんだってことも……繋がった気がする」


「あ、あの、」


「それと……余計に、欲しくなった」


「え?」


「もう彼のことは正直どうでもいいや。なんか、考えると腹が立つだけだし考えたくもない」


「……?」


「今は、とにかく……あいつには、任せておけない。っていうか、今すぐ攫ってやりたいくらい」


「攫って……って、」


「言っとくけど、日下部さんにも目を覚ませって言いたいね」


「っ、」



言葉と同時、トン……と。押された身体。


背中に感じるのは社長室の重厚な扉の冷たさで、覆い被さる影から逃げる間もなく顔を上げれば、男の人の顔をした社長と目が合った。