焦れ甘な恋が始まりました

 


「っ、」

「……ねぇ。今言った言葉の意味、教えて?」



耳元で、鼓膜を震わすように囁かれた言葉に、不覚にも身体が甘く、痺れてしまった。


ほんとに……ズルい。

こんな風に、私を弄んで。

私の気持ちも何もかも、本当は全てお見通しなくせに。

それなのにこんな風に敢えて気付かぬふりをして……私を、振り回すんだ。



「俺はもう、日下部さんには確実に嫌われたと思ってたんだけど……」


「…………え?」


「陽くん?だっけ。彼の前で、あんなことまで言って……無駄に引っかき回すようなことをして。鬱陶しい奴だと思われただろうなって、そう思ってたんだけど……」