焦れ甘な恋が始まりました

 


ズキリ、と痛む胸。

それと同時に、胸には不穏な波が一気に押し寄せてきた。


小出ちゃんの言う通り、ここ最近下條社長が忙しそうにしていたのは知っていたけれど……まさか、ランチに出掛ける暇もないくらい仕事に没頭していたとは思わなかった。


それで先週、私の手料理を持って帰った時に、あんなに感動してたのかな……


社長、あんまりご飯も食べれてない上に疲れてたから……だから、あれだけのことで、あんなに喜んで……



「でも……なんか、先週の金曜日だけは、溜まってた仕事を無理して一気に片付けてた……って。企画部の友達が言ってたんですよねぇ」


「え?」


「お昼前、妙に社長がウキウキしてたから、“ 今日はデートの予定でもあるんですか? ”って企画部の友達がからかったら、“ そんなところ ”って笑ってたって」


「っ、」


「……社長、彼女でもいるのかなぁ?でも社長って仕事命っぽいし、そんな暇もなさそうって女子社員は皆、言ってますけど」


「……、」