焦れ甘な恋が始まりました

 


「それにしても、相変わらず危なっかしいのは変わってないね?久しぶりに会ったかと思えば、正面衝突の事故になるところだ」


「本当に、すみません……」


「ハハッ、今のは冗談。俺も前方不注意だったし。日下部さんの仕事ぶりは良く知ってるし、まぁ、仕事以外のドジが久しぶりに見れたのは良かったけど」



言いながら楽しそうに笑う社長を前に、思わず顔が熱を持つ。


こんな風に社長の笑顔を近くで見るのは、私の方こそ本当に久しぶりで。


なんとなく、社長が営業部時代に戻ったような気がして、胸が懐かしさで温かくなった。