じわり、と。
堪える間もなく滲んだ涙の雫が、静かに頬を伝って零れ落ちた。
……私は。
今日まで下條社長や、妹や弟……他の人に比べたら、大した夢も目標も持たずに生きてきた。
人目を引く美人でもない、大した取り柄もないごく普通の平凡な女な上に、人生に夢も目標も持ち合わせていないなんて自分は本当につまらない人間だと思ってた。
そんな自分を情けない、いつか変わりたいと願いながらも、変えられない現実の壁にぶつかる度に、安全な道を選んで歩いてきたような人間だ。
……それでも。
情けないながらも私は私なりに精一杯やってきたし、その道の途中で自分に出来る限りのことをしてきたつもりだった。



