「じゃぁ…なんだよ……普通?好き?」

「………」

恥ずかしいよ…?

「はっきり言って……そうじゃないと抱きしめちゃう」


いいよ!なんて心の中で喜んでしまった私。

でもそんな切ない顔しながら、抱きしめてもらってもなにも嬉しくない。


「…す………























……き……」


いったい“す”と“き”の間はどのくらい開いただろう。

多分5分以上は開いたかもしれない…。


言った瞬間、私は奏多の胸の中にいて。幸せな気持ちでいっぱいだった。


「何分開けてんだバァーカ!………俺も♪」






奏多の私を抱きしめる手は

大きくて

力強くて



私の大好きでの気持ちで納まってた(ような気がした)




『大好きだ、バァーカ』


私は、そう意地悪く言って奏多をグッと抱きしめた。