「奏多……」


翌日。

私はそう奏多の机に一直線に向った。


『かっ……楓先輩と、どういう関係なの…?』

これを聞くために。


いつも意地悪。

S男。

悪魔。

それでも優しい奏多。そんな奏多…だから今日のこの質問だって笑顔な意地悪な微笑みで優しくかえしてくれると思ってた……。

思ってた………。


でも…現実の奏多からかえってきた言葉は、すごく冷たかった。

「そんなのお前に関係ない…首つこっむな……」



ねぇ奏多……。

いつもみたいに意地悪な奏多でいてほしい。

S男な奏多でいてほしい。

悪魔な奏多でいてほしい。




これは…私の我が儘かな……?




私を軽く睨んで、教室から出て行く奏多の姿。

私はそんな奏多の背中を見つめることしかできなかった……。