『消毒』

翌日の朝。私は、奏多のあの言葉を思い出しながら学校の廊下を歩いていた。


てか……1日に付き合ってもない男2人にキスされるって…どうよ!!

すごい無防備すぎない!?私!!

私は、校舎の壁を一生懸命叩いていた。


「馬鹿かお前……はぁ…」

そんな私の横で、深いため息をついたのは……『かっかなた!?』

昨日のことが、頭から離れない私は多分顔を真っ赤にして奏多を見つめていた。


「おっおまっ!顔赤すぎ!!」

やっぱり?

「…んった………の…せい……ん」

「は?なに言ってるかわからないんだけどぉ――香苗ちゃん♪―――…」




「な゛!!」


「じゃっ教室で」

奇妙な笑みを零したあと、奏多は歩いて行ってしまった。


私は、耳元を抑えた。





『は?なに言ってるかわからないんだけどぉ――香苗ちゃん♪



んな赤くなんなよ♪襲いたくなるよ?』






「………馬鹿…」

私は、去っていく奏多の背中を見つめながらそう呟いた。