「君香苗ちゃんだよね?」

「そっそうですけど……」



先輩がどんどん私のほうに近づいてくる。

私は


‐アイツには近づくな‐

‐危険な臭いがする―

アイツの言葉がどうしてもはなれなかった。


自然に後ろに下がるばかりだった。



「逃げられると悲しいんだけどな?香苗ちゃん♪」

「えっ…いや。」


下がってるつもりはまったくないんですけど……。

自然に体が先輩を拒否してるんです……。


「逃げないでよ」

先輩がグッと近づいてきて私の腕を強く握ってきた。

「いたっ!……やっやめてください」

「やめられないな。好きな香苗ちゃんとやっと念願2人っきりになれたんだし♪」

無理やりキスをしてこようとする先輩。

「いっいやっ……ふぇっうっぅっっ」

涙が瞳に溜まって、頬をそって流れて行く。

「泣かれるともっと理性飛んじゃうよ?いいの?」


床に押し倒された。

「だっ誰かっ!助けて!!」

私はドアに向って一生懸命叫んだ。

「誰も来ないよ?先生たち今職員会議だし。もう生徒は帰ってる時間だしね。それにここの鍵閉めといたから気づいても開けられないよ」

そっそんな。

「それじゃぁ、遊ばせてもらおうかな♪」