「どういたしまして」

耳元から体中に伝わった声。

「…そ…が先輩?」

「うん」


曾我先輩だったー…。

かっかばじぃのうそつきぃ――!!

帰ってないじゃん!


「入んないの?」

「あっ入ります!!」


止まっていた足を動かし始めた。

後ろから、先輩の足音がした。



‐アイツには近づくな‐


近づかないような理由はない気がするけど…。


‐危険な臭いがする‐


そんなのしないよ。

ドアが開けられなくて困っていた私の代わりにドア…開けてくれたし。



私は、生徒会長用の机の上に本を置いた音後ろを向いた。


そこには…


「え?」


にやっと奇妙な笑みを零している先輩の姿があった。


こんな先輩の姿初めて見た。

いつものきれいな笑みはなくて。

目つきがアイツに似てて………いつもの先輩と全然違ってた。


「せ……ん…ぱい?」