「んっ...」

大きな揺れで起きた
はっと、目を開けると
降りる駅の一つ前
通り過ぎたと思ったから
ほっとする

扉の前に立ち
開くのを待っている
さっきの夢のことを思い出す

(あれ?)

何かに邪魔されているように
思い出せない
あの時の感情は覚えているのに
見たものは思い出せない

電車を降りて
階段を下る
そのまま改札に行こうとしたら
人とぶつかった

「ごめんなさい...」

ふらふらしていたせいで
人にぶつかってしまった
スーツ姿のその人は
何も言わず立ち去った