すると、この人は
自分にさした傘を
俺にさしてくれた

自分が濡れていても…

「家に一緒にくる?」

その言葉に俺は

「にゃあー」

と、返事をした

この人の目は
不安や悲しみで満ち溢れていた
なぜか、守りたいと思った
俺は猫だけど
ある秘密を持っているから

その、秘密のせいで
前の飼い主に捨てられた…

そのせいで、人間が怖くなった
特に男の人が怖い
何するか分からない
力も強くて
何もかもが怖かった

でも、この人は
なぜか、安心できた

俺と同じ目をしている