君のいない世界なんていらない



「お兄さん、これあげる」

後ろから服を引かれた。
え? なに?

驚いた顔で振り向くと、10歳くらいの女の子がいた。

僕とばっちり目が合ってるし、僕に触れることができている。

僕は基本人には見えないはずで、触れることもできないはずなのに。