君のいない世界なんていらない



「神様お救いください」

そんな心からの祈りを何度も聞いた。
だけど僕には何もできない。


いろんな人々の絶望を、この目に焼きつけるだけ。


見ていることしかできない自分を歯痒く感じていたのは随分昔のこと。

いつしか心は冷め、人々の絶望で胸を痛めることはなくなった。