あれから何度も「再会」を夢見てあの街に行った。


でも、1ヶ月過ぎ…2ヵ月過ぎても、あの男の人には会えなかった。







『今日こそ、会えるといいな…。』


学校帰り、あの街に向かう電車の中でわたしは一人、窓際でぼんやりと外を眺めていた。


『彩ちゃん。』


名前を呼ばれて振り向くと、野口くんがいた。


『何処行くの?』



空いている席は無いけれど、立っている人もまばらの電車の中、野口くんはわたしのすぐ隣に並んで立つ。


『ショッピングモール。』


わたしは少し気まずさを感じて、窓の外に体を向けたまま答えた。