「…う、うん。分かった。…私の髪、そんなに好きなの?」

…言いながら、ずっと私の髪の毛を自分の指に絡ませてる司。

そんな中、私にかけられた問いに、ニコリと笑って頷いた。

…不覚にも、その笑顔にドキッとした。

イケメンの笑顔は、女の心を鷲掴みしてしまうという、久美の言葉を思い出した。

「…納得できたところで、ほら、寝るぞ」

「…え、…ぁ、ぅん」

いつものように、私の手を引いて、ベッドに向かう司。

…今迄と違うとすれば、友達から、恋人になった事。…って、無理!

「…司、私…あの、ソファーで寝るよ」

そう言って、掴まれた手を引っ張った。

「…」
司は、無言のまま私を見下ろす。

「…司、あの」
「…大事にするって言ったよな?」

その言葉に頷く。

「朱莉が嫌がることは、するつもりはないから」

「…司」

「…いつまで理性が保てるかはわからないけど」

そう言って、意地悪な笑みを浮かべた。

…やっぱり司は、意地悪だ。