話し込んでる私の頭を誰かがぱしっと叩いた。

驚いて振り返れば、そこには司がいて。

「痛い!なんで叩くのよ!」

抗議の言葉を司に向ける。

「…別の会社の子、大学の時の友達、ねぇ」

「…!」

久美との話を聞かれていたらしい。私は口を真一文字に結んだ。

…仕方がないじゃない。司と住んでるなんて言えるわけないんだから。

「さっさと仕事すれば?」
「煩い!するわよ!」

ちょっとの罪悪感と、盛大な怒りを胸にそう言った。

…怒りたいのは、わからないでもないけど、叩かなくてもいいじゃん。

「…毎日飽きないね」

隣で久美が呟く。

「…何が?」

「…朱莉苛め」

…。