エリート同期は意地悪がお好き

周りの騒音で、私の声なんてかき消されてしまう。それでも、叫ばずにはいられなかった。

私はその場にしゃがみ込み泣きながら途方にくれる。

そこにまた、携帯が鳴る。…現代病なのか、出たくもないのに、それに出てしまった。

「…もしもし」

枯れ気味の声で応答する。

『朱莉今どこ？』

「…家の前」

『は？お前ンチって火事じゃねぇの？』

「…なんで知ってんの？…ていうか、あんた誰？」



『…着信相手くらい見るだろ普通…とにかく、そっちに行くから』

「…は？あ…」

そこで電話は切れた。

そこで初めて着信相手をみる。

『東城 司』

…私の同期の男だった。

…毎日人を苛めることを生きがいにしてる嫌な奴。