時計に目をやった朱莉はハッとした顔をした。

「ごめん!そうだね、寝よう。私、ここのソファー借りるから、おやすみ」

そう言って微笑む朱莉。

…その言葉に、またしてもムッとしてしまった。

「…バカ言うな」
「…へ?」

「朱莉が被って寝る布団なんてうちにはねぇよ」

「あ、いい、いい。まだそんなに寒くないし、バスタオルとかで十分…て、ちょっと!」

朱莉の言葉が終わらないうちに、俺は朱莉を寝室に連行した。

「…さっさとベッドに入れ」
「いや、だから」

「煩い、早く」

有無を言わせず、ベッドに入るよう促した俺。朱莉が入った事を確認すると、俺もそこに潜り込む。

「司!やっぱソファーで」
「煩い、寝ろ」

朱莉を抱きしめると、俺はさっさと眠りについた。

「…寝れるわけないじゃない」

そんな声が聞こえたけど、俺は聞こえないふりをした。