「…さっさとお風呂に入ってこいよ、そうじゃないとこのまま襲うけど?」

ゆっくり唇を離した俺は、ニコリと笑ってそう告げた。

「…っ‼︎入ってくるわよ!」

真っ赤な顔でそう叫んだ朱莉は着替えを持つと、逃げるようにバスルームに消えていった。

…ホント、一々いじめがいのあるやつだと思わずにいられなかった。

…。

しばらくして、風呂から上がって来た朱莉に息を呑む。

…こいつって、こんなに色っぽかったっけ?

そう思ったが、それに気づかれないように、澄ました顔をして、来い来いと手招きする。

おずおずと近づいてきた朱莉を座らせると、長くて綺麗なストレートの髪を、ドライヤーで乾かして行く。

「じ!自分でするよ」
「煩い、黙れ」

慌てる朱莉に一喝すると、また、髪を乾かし始めた。

…手入れのいきとどいた綺麗な髪だな。ずっと、触っていたくなる。

…俺って、変態か?…いやいや絶対違う。