「そーだよっ。最近何て言うか…楽しそうじゃん?」 「よく笑うようになったよね。」 追い討ちを掛けるような言葉。 …―あたしはまだ、あたしに変化をもたらしたあいつを、認めたくない。 「そうかなぁ……。」 無意識に口から出たセリフは、数秒前に口にしたのと同じものだった。 あたしは考える。 確かに自覚はしてる。 黒澤進也は、あたしの心を変えた。 というより、あたしの心に空いた穴を埋め始めている。 …―その屈託のない笑い方だけで。