花言葉

君が誰かに花をあげる
と言い出したから
俺はついていくはめになった

(まぁ、いつも行ってるからいいけど…)

それにしても
花を渡すのは
友達なのかそれとも
好きな人なのか

「どんな花にしようかなー?」

花屋さんにはいろんな花がある
一つ一つ綺麗な花

「佑太は何がいいと思う?」

「なんでもいいと思うよー」

沢山の種類があるから
決められない
いや、決められないじゃなくて
決めたくないのかもしれない

「ちょっと、店員さんに花言葉聞いてくる!」

花言葉か…
花にもいろんな意味があって
その、意味から決めるのかな
俺は少し気になったから
花言葉を調べてみた
同じ種類でも色が違うだけで
意味も違う

「佑太〜決まったよー」

君が抱えてきたのは
胡蝶蘭
どんな意味なのか

「俺が買おっか?」

「いや、自分で買わないと意味がないの」

そう言ってレジに行った
いつも、俺を買い物に連れていくときは
奢ってとねだってくるのだから
今回は相当大切な
ものなのだろう
君がお会計をしている間に
調べてみた

" あなたを愛しています"

俺は見開いた
花言葉を聞いて決めたのだから
誰かにこのメッセージを届けたいのだろう
愛しています、だから
好きな人に送るのだと思う

「買ってきたよー」

俺は思いきって聞いてみた

「誰にあげるの?」

君は恥ずかしそうに

「好きな人だよ」

ほら、やっぱり
聞かなきゃ良かった
今更後悔しても遅いけど
すると、突然
少し前に歩いていた君が
振り向いて

「はいこれ!」

と、胡蝶蘭を渡してきた
俺の頭の中には
はてながたくさん浮かぶ

「この、花の花言葉知ってる?」

「知ってるよ」

だから、今
傷ついているところなのに

「じゃあ、話が早いや」

俺が胡蝶蘭を受け取らないから
君は俺の手を取って
胡蝶蘭を無理やり渡してきた

「この花はあなたを愛してますって意味なんだよ」

「じゃ、なんで俺に渡すの?」

君は大きくため息をつく

「ここまで言ってもわからないの?」

もー、なんでわからないのかなぁ
君は頭を悩ませて少し怒る

「私は佑太が好きなのだから、この花を渡したの」

「そうゆうことか〜…て、ええ?!」

驚きのあまり
声をあげてしまった
口に手を当て
びっくりした表情で君を見る

「で?返事は?」

今は夜だけど
君が頬を赤くしてるのが見える
好きな人から告白された
どうせなら、俺からしたかった
胡蝶蘭をぎゅっと抱きしめ

「俺も愛してるよ」