幸せって、なに

母親は、
夜泣きに悩まされながらも
おっぱいを吸うまきえ、
はいはいして後追いする
可愛いまきえと暮らす風景を
頭に描いていた。

祖母は、
一緒に花に水をやったり、
公園に行ってすべり台やぶらんこに乗って
笑顔で遊んでいるまきえを思い描いていた。

ついに扉が開いてまきえが運ばれてきた。
十二時間の長い長い手術だった。