幸せって、なに

 手術当日の朝がやってきた。

祖母と母親は手術の成功を
ただただ祈るだけだった。

病室にいるまきえは起きていて
目を大きく開いてずっとこっちを見ていた。
すごく可愛いかった。
手術室に向かう間もずっとこっちを見ていて、
わずかな距離の中で一瞬ニコッと微笑んだ。

その笑顔を見て
母親と祖母は必ず助かると信じた。

ふたりは手術室の前でじっと待った。

そのあいだ何も話さなかったが、
それぞれに元気になって成長していく
まきえの姿を想像して
手術が無事終わるのを祈っていた。