幸せって、なに

 結局、いい方法が見つけられないまま
一ヶ月が過ぎた。

おばさんも何も言って来なかったので、
このまま何もなかった様に過ぎてくれればと願った。

学校の行き帰りも
おばさんの家の前を通らないように遠回りをして、
苦手な大きな犬がいる家の前を通った。
今は大きな犬よりおばさんの方が
とてつもなく苦手だった。

今日も気付かれない様にこっそり犬の前を歩いていたら、

「あら、美沙希ちゃん犬嫌いは直ったの?」
嫌味な笑みを浮かべているおばさんがいた。
「え、ええ。そうみたい。おばさんどうしてここに?」
びっくりして足が止まった。
「おばさんだって色んな道歩くわよ。いけない?」
「いえ、けっ、結構です。」
笑みを浮かべながらも、しどろもどろだった。