幸せって、なに

あったあった。
背を測った時にこっそりつけた傷。
あら?何か書いてある。
顔を近づけてよく見ると

 =ぶっ壊してやる=

そう書いてあった。
小さな字だがはっきり読み取れる。
何に対してそう書かれたのか。

考え始めたところで、
おばさんがクッキーを入れたお盆と紅茶を持って来てくれた。
「さ、どうぞ召し上がって。
久し振りの対面に乾杯しましょう。」
「はい。」

ふたりのカップが
ガチャッと少し大きな音を鳴らして合わさった。
美沙希がひとくち飲んだところで

「あら、どうしましょ。カップにひびが。
今の乾杯でなったのかしら。まさかねえ、
でも確かにそれまではひびなんて入ってなかったのよ。
二客お揃いで五十万円もしたのよ。どうしましょ。
主人に怒られるわ。そっちのは何ともない?」