幸せって、なに

 学校までの道のりを歩いていると、
隣の席の市谷恭子が追い越しざまに言った。

「及川さん、急がないと
今日は校門で教師が見張っているよ。」

「うん!」

そう。
今日は遅刻がないかどうか
先生が立ってる日だった。

転校して友達らしい友達がまだいなかった美沙希は
声を掛けてもらった事が嬉しくて、
信号が赤なのも気づかずに走り出した。

「キキキー。」

「危ないじゃないか!!」
運転手の怒声が風の中に響いていた。