幸せって、なに

返済の為に
おばさんのいい様にされるかも知れないと危惧したのだ。

手早く作業を終え、
続いて風呂場、キッチンを、
まるで何かを消し去る様に
綺麗に磨き始めた。

そして寝室に向かいドアを開けた。

結婚が決まって、
両親が揃えてくれたタンス、ドレッサー、ベッドが
部屋の奥と両脇に並んでいる。

処分出来ずにいる夫のベッドも
そのまま置いてあった。

母はそのベッドに座り、
右手の指で撫で意を決した。