幸せって、なに

 家に着いて鍵を開けようとしたら開いていた。

お母さんはいつも
仕事か習い事に行っていて留守だったのに。
ちょっとまずいかなと思いながらも
普通にしている事にして中に入った。

「ただいま。」

返事がなかった。
お母さん居ないのかな。

だとすると今、中に居るのは泥棒?
ど、どうしよう。
うちなんか盗る物何もないのに。

という事は変わりに私を人質にしてゆする。

駄目駄目。
そんな事になったら
またお母さんの借金が増えて泣いちゃうよ。

この場は帰って来なかった事にして
外に出るのが一番よね。

「さっきから何ひとりでブツブツ言ってるの?」
お母さんが玄関の上がり口に立っていた。