そんな私が小さい頃のことなんて聞いたら、きっとそう思うだろう。
 そして私は、お母さんからお姉ちゃんの話を聞いた。




 …ー話し終えて、お母さんは立ち上がった。

「あら、そろそろ夕食作らなきゃね」

 私はまだ、夢の中にいるような気がして、ぼーとしていた。

「あ、そうそう。まだ直接言ってなかったね…」

 お母さんは不意に振り返って少しだけ笑った。
 その笑顔が悲しそうなのも無理はない。


 だって今日は、お姉ちゃんの命日でもあるんだから。
 私のせいで死んでしまった、姉の…。




「梨穂…。誕生日、おめでとう」

       *****