だけど、信号が緑になるのを待っているのは女の子と私の二人だけだから、少し焦った。
 目の前の少女は、夢に出てくる少女にどこか似ている。
 後ろ姿しか見えないのに、私はそう感じた。
 いや、でもよく考えたらこんな偶然ないよね?
 雨の日に、水色の傘をさした、幼稚園くらいの女の子。そしてこの、横断歩道は…。
 考えれば考えるほど、寒気がしてくる。

 どうしよう。もしこの少女が夢の子だったら…。
 その時。




「おねーちゃん、信号緑だよ?早く行こうよ」