みんな、ときどきひとり


観覧車の列に並んで、係員の「2名様、どうぞ」の案内でピンクのゴンドラに乗り込む。

向かい合う形で座る。左右に少し揺れた。

「すごいわくわくしてきた」

久しぶりの感覚に思わずはしゃいだ声をだしてしまった。

しまった。乗っている相手は水城くんだった。

彼は、そんなわたしに目をくれるわけもなく窓の外を眺めていた。

わたしも地上を見下ろすと、順番待ちをしてる子連れの親子が目に入った。

観覧車を見上げている小さい女の子が手を振ってきた。その無邪気な笑顔に手を振り返した。

「可愛いね。ちっちゃい子」

「そうですね」

またもや意外。子供好きにも見えないけど。

恐る恐る「子供好き?」と訊いてみた。

「子供には嫌われます」

「わかった。無愛想だからだ」

「でしょうね」言ってる側から、無愛想だ。

小さい子にもこんな態度だったら泣いちゃうだろうな。でも逆にデレデレした顔の水城くんも想像つかない。

「ぶー。何か想像つくな、冷たいの」

吹き出して笑った。