みんな、ときどきひとり


それから、ジェットコースターに乗ったり、お昼ご飯を食べたり園内を一通り回った。

気がついたらいつの間にか、真理恵ちゃんと水城くん。タローくんとわたしとみっちゃん、と、別れて歩いていた。

タローくんは、くだらない話をしてくるから、相槌をうって笑っていたけど、みっちゃんはあまり話に入ってくる気配がなかった。

3人でいるのに、2人だけで会話するのもなんだか気まずい気持ちになる。

「みっちゃんはさ、地元どこなの?」と当たり障りのないことを訊いてみた。

「ひ……光ヶ丘ですけど」

「あっ、そうなんだ。じゃあ、近いんだね?」

「はい。ここまで歩いてこれますから」

「えっ?そんなに近いの?いつでも来れるね」

「そそ……そんなに、来ないですけど」

「ああ、そう」

話が膨らまなくて完璧に空回りしている。初対面はやっぱり、苦手だなと痛感する。

「そういや、三田村って彼氏いんの?」と、タローくんが、割り込んできた。

助け舟を渡された気分になる。

よしよし。みっちゃんは君に託した、と心の中で背中を押した。