みんな、ときどきひとり





待ち合わせの10時半には5分遅れて到着した。

「ごめん。待った?」

「今来たところですけど」

水城くんがぶっきらぼうに答える。

「タローくん、お腹は?」

隣にいるタローくんに声をかけると「ああ、もう薬飲んできてばっちりっすよ!」と親指を立てた。

その隣にいる2人の女の子と目が合うと、タローくんが「修の友達の優菜さん。T高だから見たことある?」と、わたしを紹介した。

友達ではないんだけどな。反論しても仕方がない。

続けて、タローくんが「真理恵(マリエ)と三田村(ミタムラ)です」と女の子を紹介した。

茶髪でロングの髪を巻いてるギャルみたいな女の子と目が合う。どこかで見たことがある気がするな。

鼻にかかった高めの声で、

「どうも、真理恵です。うちらもT高なんです。あとうちらもトムでバイトしてます。ねっ、みっちゃん?」

と隣の子に笑いかけた。

みっちゃんと呼ばれた女の子も軽く私に会釈をした。

黒髪のセミロングで清純そうな雰囲気だ。色白だし、真理恵ちゃんとは対照的。

「あれ?もう1人は?」

人数を数えても私を含めて5人しかいない。

「あっ!そういや、来れなくなったみたいっす」しれっとした顔でタローくんは言った。