みんな、ときどきひとり

修くんだって、わたしが同じ小学校だったことなんて気づいてもくれませんし。

誰の中にもわたしの存在なんてないんです。


修くんに再び出逢うまで、わたしの時間は止まっているようなものでした。

捨ててしまおうかとも思っていました。

修くんに出逢ってまた時を刻めるようになったのに、結局、またこんな結末。

わたしはいなくてもいいんだ。

そうとしか、思えませんでした。

それから、文化祭が終わったあとなんですけど。

バイトが終わって、偶然、修くんと2人きりになったんです。

帰り道の方向が同じだったので、駅まで一緒に帰ったんです。

そんなことも初めてだったんですけど、すごくドキドキして。

あまり会話とか、もりあがることもなかったんですけど。

わたし、気になってたんです。

あなたが振られたって言ったこと。

わたしのこと、バカにして、からかってるのかもしれないって、思ったりもしてました。

修くんは、あなたのことが好きなんだと思っていましたから。

だから、訊いたんです。

緊張しましたけど。

あなたから、修くんに振られたって言われたことがあるって。

冗談だよね?って。

そしたら、答える前に、ただ、話したんだ、と言うだけでなにも言わなくて、怒らせたのだと思いました。

変なこと訊いてごめんなさいって言ったら、ようやく、別に本当のことだけどって言ってくれたんですけど。

いい気味だって思いました。

あなたが振られて嬉しかったんです。