みんな、ときどきひとり


同時に、休み時間、面白半分でわたし探しをやっていた、あなたたちの顔を思い出して、腹立ちというより、憎しみに変わりました。

怒りで身体が震えたのは初めてでしたから。

どこまで。

どこまで、人はわたしのことを馬鹿にすれば気が済むんだろう。

そう、思いました。

それから数日経って、わたしに願ってもみなかったチャンスが訪れたんです。

真理恵ちゃんが、人数が足りないからって、遊園地にわたしを誘ってくれたんです。

普段だったら、わたしみたいな女の子、見向きもしないのに。

知ってました?あの子も、修くんのこと好きなんですよ。

見てたら、わかります。

きっと、わたしが修くんのこと好きだということ、真理恵ちゃんは気付きもしなかったと思います。

だから、誘ってくれたんだと。

まあ、どっちにしろ、わたしが好きだということがわかっても、なんとも思わないんでしょうね。

わたしなんて、眼中にありませんから。いつも。

本当に、たまたま。気まぐれ。

でも、嬉しかった。

どんな形でも、休みの日に修くんと、遊園地に行けるなんて。

少しくらいは、仲良くなれるかもしれないし。

もしかしたら、観覧車とか、一緒に乗ったりとか、そういうことできるんじゃないかなって。

ずっと、そのことばかり考えてました。

楽しみで仕方なかったんです。

なのに、あなたが。

あなたが、いたから。

わたし、本当に驚きました。

そして、やっぱり腹が立って仕方なかった。

人の手紙、読んでおいて、何食わぬ顔でわたしに、話しかけてくるあなたに。